よもやま

リクルートが競合になった時の戦い方

元リクのたばてぃしゃちょーです。2017年〜2019年の7月までリクルートマーケティングパートナーズに在籍していました。

昔のリクルートについて語ることはできませんが、上場後のネット化したリクルートについては語ることができます。また、在籍中は新規事業に携わっていたため、リクルート内の新規事業に関する知見を持ち合わせています。

リクルートの傾向と対策1:予算消化と投資

スタートアップは資金がなくなってきたら資金調達を行います。

しかし、リクルートでは税金収めるより既存事業に投資しましょうということで3月と9月に投資予算を新規事業・既存事業に投資します。これには「リターンを求められる投資」と「リターンを求められない投資」があります。ここでいうリターンとはお金を渡すのだからそれに応じてKPI目標を設定し、達成させなさいということです。そのリターンを求められる投資と求められない投資があり、資金が潤沢にあります。基本これらは広告宣伝費に使われたり、リサーチ費用等々に使われます。

また決算説明資料を見ていただきたいのですが、リクルートは経営指標に「調整後EBITDA及び調整後EPS」を掲げています。そこから伺えるようにサービスを立ち上げてから3,4年目には利益を求められます。つまり新規サービスが出て成功したとしても、投資事業ではなく利益回収事業として位置づけられます。

だからこそ多くのスタートアップはエクイティによる調達でレバレッジをかけてガンガン踏んでユーザーを確保していきましょう。

リクルートの傾向と対策2:メディア露出

社内にコネクションを抱える人が多く、メディアに露出する戦略を立てるのが上手いです。CM制作・放送もリクルートのためにお安くしていただいたりすることもあるため、スタートアップの立場としては辛いですね。

しかし大企業がメディアに出る事については、社内でのレギュレーションが厳しいので時間がかかったり、尖った事を言えなくなったりします。またメディア露出と採用を絡めたりすることが難しかったりします。

 

リクルートの傾向と対策3:人材

リクルートには優秀な人材が集まります。給料も良い方です。それって結局事業のPLにヒットするんですよね…。キャリア支援制度が充実していますので、社内でリソースを賄うことに長けています。スタートアップと違いエンジニア採用に苦戦することはありません。またリクルート内にも研究者的なエンジニアが在籍しているので、そこの知見を活用できたりする強みを持っています。

しかし社内でビジョン共感は全くありません。合理的に物事を進めていたり、事業の成長によって自分も成長していくというスタンスの人材が多いです。スタートアップはビジョン共感で人材を確保していく必要があります。

 

補足リクルートの活用方法:ロビー活動

リクルートをうまく活用する方法もあります。

リクルート内には業界団体を立ち上げる組織が存在していて、hogehoge協会みたいな協会を立ち上げては代表理事になるという事を行っています。業界を良くしていこうぜ!という団体ですね。今までにないサービスを作ったりすると、法整備とか必要になってきたりするので、訴えかける団体を作って社会に提起していく必要があります。共同で理事になっておくことで業界動向も探れますので、使える所は使っておきましょう。

 

結論、大企業に勝つにはスピードと一点集中です

大企業は既存事業にリソースを割いてしまうがゆえに、新規事業に対して過多になるほど人・物・金を投資することができません。だからこそそこには勝算があります。詳しくはランチェスター戦略を調べてください。

よくリクルートのディスラプトで起業する人が多いと思いますが、なぜリクルートをディスラプトできるのかは本当に詰めた方が良いです。また起業家の皆さんは「リクルートとかの大手が参入したらどうするの?」という質問をVCや投資家にされることがあると思いますので、回答できるようにしておきましょう!

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