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プロが語る!山林の売却をするにはどこに頼めばいいの?

山林を売却する際どこに相談すればいいかお困りですか?

田畑不動産という会社を経営しています。
たばてぃ社長です。今回は弊社の事業として行っている山林売買について情報を発信します。

山林の取引は通常の不動産取引と必要な知識が異なるため売却手続きや境界確定、税金のアドバイス、適正な価格の査定などが難しいのが現状です。そのため山林に詳しいプロに相談することが一番です。

山林売却の流れ

① 山林調査の依頼

山林の売買を得意とする不動産会社に山林の査定をしてもらいます。山林の境界が不明確で登記簿上の面積と実際の面積が一致しない場合は隣地所有者立会いの下境界確定を行います。山林は広大で地価が安いことが多いので公簿売買(登記簿面積で売買すること)が一般的です。

② 売買契約の締結・引き渡し

購入希望者が見つかった場合重要事項説明後売買契約を締結し、引き渡しを行います。名義変更や固定資産税の清算が済んだら売却手続きは完了となります。

山林売却に必要な書類

不動産会社は山林の査定額を算出する際に様々な資料を参考にするので下記の資料を用意しておくとスムーズに売却手続きが進みます。

① 登記簿謄本

土地の所有者、地番、地目、地積などが記載されている書類で、法務局で取得することができます。郵送も可能です。

② 固定資産税の課税明細書

山林所有者に毎年役所から課税明細書が送られてきます。紛失してしまった場合でも名寄帳の写しを自治体で発行してもらうこともできます。

③ 公図

法務局に備え付けられている図面で、山林の形や場所がどこなのかを確認するための法的な図面です。各都道府県の法務局でだれでも閲覧、コピーが可能です。

④ 地籍図

各市町村が作成し他地図で一筆ごとに隣接者立会いの下測量し、山林の境界、面積、形状などを正確に示した地籍図が作成されます。各市町村役場にて事前申請を行えば閲覧、コピーが可能です。

⑤ 森林簿

森林にどんな樹木が植生しているかや林齢、土地の状態など森林資源に関する情報が記載されています。

⑥ 森林計画図

地域森林計画の付属資料で、地域森林計画の対象となる民有林の位置を、森林基本図に林班界・林小班界等を記入して示した図面です。所有森林の所在地、市町村の林務担当課、都道府県の林務担当課、森林組合等で閲覧可能です。

税金

山林を所有していたり、売却した際に税金がかかります。

固定資産税

山林を所有すると固定資産税がかかります。
固定資産税とは毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額のことで、固定資産の所在する市町村に納付します。

〇納税義務者
毎年1月1日現在の土地、家屋または償却資産の所有者

〇税率
1.4/100(1.4%)固定資産税評価額に税率を掛け合わせたものが支払う固定資産税になります。
なお固定資産税評価額が土地の場合は30万円未満、家屋には20万円未満、償却資産の場合は150万円未満、また所有している山林が保安林の場合は課税されません。

所得税

山林を伐採して譲渡したり、立木のまま譲渡することによる所得に対して所得税が生じます。

山林の場合は3つの所得税に分類され、山林を所得してから5年超で伐採または譲渡した場合の所得は山林所得。

山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合は山林所得ではなく事業所得か雑所得になります。

山ごと山林を譲渡する場合の土地部分は譲渡所得になります。

〇山林所得

所有期間が5年超の山林を伐採もしくは立木のまま売却計算方法

山林所得 = 売却代金 – 必要経費 – 特別控除(最高50万円)
必要経費には所得費、植林費、育成費、管理費、伐採費、売却時に係る費用等が含まれます。山林所得はほかの所得と分けて計算を行う分離課税であり、所得税の計算は5分の5乗方式と呼ばれる計算式を用いて計算します。

( 山林所得 × 1/5 × 税率 ) × 5税率は課税所得( 山林所得 × 1/5 )によって変わります。

195万円以下 5%
195万円超330万円以下 10%
330万円超695万円以下 20%
695万円超900万円以下 23%
900万円超1800万円以下 33%
1800万円超4000万円以下 40%
4000万円超 45%例えば山林所得が500万円だった場合
( 500万円 ×1/5 × 5% )×5 = 25万円となります。

〇事業所得、雑所得

所有期間が5年以内の山林を伐採もしくは立木のまま売却

〇譲渡所得

山ごと山林を売却した場合の土地部分計算方法
譲渡所得 = 売却価格 - ( 取得費 + 譲渡費用 )
譲渡所得に課税される譲渡所得税率は山林所有期間によって税率が異なります。

所有期間5年超 長期譲渡所得 所得税率15%
(復興特別所得課税該当期間なら15.315%)

所有期間5年以下 短期譲渡所得 所得税率30%
(復興特別所得税該当期間なら30.63%)

Q&A

Q.山林はいくらくらいで売却できますか?

A.山林には「都市近郊林地」「農村林地」「林業本場林地」「山村奥地林地」の4種類があり、これらの種類の違いによっても評価額が大きく異なります。

参考値ですが以下の値くらいになります。

・都市近郊林地(市街地の近郊にある林地)1000円~5000円/㎡
・農村林地(農村部にある林地)300円未満/㎡
・林業本場林地(林業をするために管理された林地)100円未満/㎡
・山村奥地林地(道路が整備されていない山)100円未満/㎡

静岡県三島市の山林売却事例

福岡県八女市の山林売却事例

山口県周南市の山林売却事例

Q.仲介手数料は?

A. 山林は宅地建物取引業の対象外のため法律で仲介手数料を規制されていません。

一般的には宅地建物取引業の規定に準じた手数料になりますが、売却される際はしっかり聞いておく必要があります。以下宅地建物取引業の仲介手数料です。

200万円以下 5%
200万円超~400万円以下 4%+2万円
400万円超 3%+6万円

Q.購入後の維持費は?

A.固定資産税のみすが、立木を育てて販売する場合は森林組合等に依頼しメンテナンスを行う必要があります。また森林組合に加入した場合は組合費がかかります。

Q.山林売却の査定費用は?

A.境界確定や隣地所有者との調整などが必要な実費以外はかかりません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

山林は不動産会社も手数料があまり取ることができないことから、メインで事業をやっている会社は少ないです。

また売却できればまだ良い方で、固定資産税がかかりすぎてしまう、荒れている、不法投棄があるような山だと買い手がつかずに処分費用がかかることもあります。

まずは弊社田畑不動産にご相談ください。

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